9月1日2日に全世界で発売された


METAL GEAR SOLID V: The Phantom Pain

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全世界累計出荷本数が既に300万本を突破し、順調な売れ行きを見せています。


大手レビューサイトでも軒並み高評価で、満点評価も多数。

満点なんてなかなか見ることができません。




ファーストインプレッションとして第一章までの感想です。


インプレッションと言っているにも関わらず、感想です。レビュー・評価ではないのであしからず。


物語に関わる部分は最後に書くので、まだ第二章に進んでいない方はご注意ください。そこだけはネタバレ注意です。




 





とにかく潜入が楽しい!



本作には様々な楽しみ方があります。


・ストーリーを楽しむ

・サイドオプス(サブクエ)をプレイする

・マザーベースという育成要素


この全てに共通するのが潜入です。

メインミッションやサブミッションは言わずもがな、マザーベースを育成するにも潜入しなければ始まりません。



まず言わなければいけないのは、この潜入自体が凄く楽しいということ。




高低差に富むフィールドや毎回のように変わる敵の装備が多角的な攻略を可能にしてくれる。


装備品がバラエティに富んでおり、新しい装備を使うと全く新しい切り口での潜入方法ができるようになる。


バディシステムも多様性に花を添える存在で、バディによってゲーム性が変化するほどの差ができる。


潜入だけではなく、隠れずに真正面から撃ち合ってもまた違うゲーム性が生まれる。


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これら要素の組み合わせによって、その状況状況を多角的に捉え、思考し、選択・実行する行動に豊かな多様性が生まれます。

いえ豊かなんて言葉では足りません。無限と言ってもいいほどです。


この状況ではこういうルート。この状況では長距離からスナイプ。この状況ではデコイを使う。この状況ではバディに指示を出す。この状況ではetc...


こういった多様性があるおかげで何度プレイしても飽きないゲームになっています。




一つ一つの潜入が高い緊張感を生み出すので正直言って疲れてしまいますが、それだけ熱中しているという証拠でもあります。

それだけ熱を持ってプレイしているのでうまくいった時の達成感が心地よい。





マザーベース要素はそれだけで良作ゲームのよう



現地のスタッフを回収して説得することで仲間にでき、仲間が増えることでマザーベースは発展します。

マザーベースが発展すると様々な恩恵を受けることができるので、発展させること自体が目的になってしまう方も多いのでは。


私はこのクチで、ストーリーそっちのけでマザーベースを発展させ続けています。


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新しい武器が開発できるようになったり、諜報で戦場の情報が事前にわかったり。

そして発展の様子は実際に自分がマザーベースを歩き回ることで確認でき、集めたスタッフがその場に居て軽い挨拶を交わすことでここを発展させていっているという実感が沸いてきて、更に意欲を掻き立ててくれます。



基地を育てるという要素だけで一つのゲームのようで、FOBという対戦要素も合わさるとこれだけで一本のゲームであっても良作と呼べるほどの出来です。




以下ストーリーについて。ネタバレがありますのでご注意を。


それと、ネガティブな感想を含みますので苦手な方もご了承の上読んでくださると嬉しいです。









100点満点の導入部



物語は主人公が病院で目覚めることから始まります。

シリーズをプレイしていない人には何がなんだかちんぷんかんぷんでしょう。

つまり、この時点でこの作品はシリーズ物としての宿命を強く背負っていると言えます。
※ここ重要



ミッション1「覚醒」の出来はどのゲームと比べても一線級。


いや・・・大きなことを言いますよ。

導入としては過去にプレイしたゲームの中でNo.1
です。ぶっちぎりです。


ここだけゲーム性が異なるのですが、さながら映画的ゲームのように行動を制限されて進みます。

この場所で前へ進むと台に捕まって転ぶ、特定の位置で敵が出現する、指示されたものを銃で撃つ。

などなど、ここだけはLast of Usなどの映画的なゲームのような雰囲気で、かつそれらを超えています。


文字通り手に汗を握ってプレイしました。

制限されているからこその面白さがある。


圧倒的強者に対してふらふらで立ち向かうことの恐怖。

この後はかなり自由な設計となっています。多くの場所では敵を殺しても気絶させても走って逃げても攻略可能。

その為ここが際立つ(プレイしている最中は気が付かなかったことだが)。

特にここはゲームをする人全員にプレイして欲しいです。





え?君たち気が付かないフリでもしてるの?



正直、第一章時点では物語に良い印象を持っていません。



ストーリーはマザーベースを発展させて力を蓄える為のなんでもない依頼から始まり、それが徐々に仇敵スカルフェイスに、そして彼の野望、計画に繋がっていく。



計画の端々を少しずつ掴んでいくも、それが何なのか、何を企んでいるのかはわからない。

その点と点が声帯虫というキーワードによって一つの線に紡がれ、陰謀は未然に阻止される。

この流れは素晴らしい。

この一連の事件だけを見ればよく出来たストーリーです。



しかし



先にはっきりさせておくことがあるんじゃないの?

ということ。

本作が始まってからいくつもの疑問がプレイヤーに生まれるはずで、その中のいくつかは解決せぬままに物語が進みます。

それらは第一章が終わっても解消されていません。

最初からずっと宙ぶらりんになり気持ち悪さを残したままストーリーは進んでいく。



持って当然の疑問が解消されぬままなのが気持ち悪い



誰もが抱くであろう疑問が議題に上がるでもなし、スネーク自身が疑問に思っている風でもなし、無かったことのように進んでいく。



ミッション1「覚醒」ではイシュマエルの正体やその他諸々、オセロットがダイヤモンドドッグズにいる理由(カセットテープであらかたわかるものの明確にはされない。もしくは説明が足りない)。

その後もママルの「お前はジャック・・・じゃないな?」や、ヒューイの「君は・・・?」、そしてパスについての記憶の食い違いなどなど。

これらの疑問が残ったままです。



ただし、気持ち悪さを残したままストーリーが進むことで真に楽しめない感は多少あるものの、これらは後に解消されるはずですので良いとしましょう。(ちょっと引っ張りすぎな感もありますが)

疑問を疑問のままにしておくことでプレイヤーの自由意志によって補完できるという利点も人によっては生まれることでしょうし。



一番の問題はそこではありません。





スネークの個性を殺すという愚行



疑問が解消されないままということ以上に不満です。


一番の問題はスネークがほとんど喋らないこと



これまでのシリーズでは大量にあった物語の大筋とは半ば関係ない会話などが9割方(体感)カットされ、メインの物語でもスネークは自分の意見どころか声すら滅多に発しません。


「スネーク、依頼があった。○○してくれ」

と言われて返事もしないなんてMGS3やPWでは考えられなかったことで、俺たちの知っている彼なら冗談の一つでも飛ばすはず。


長台詞なんて一章終了地点(プレイ時間50時間以上)で一度もありません。


いいですか、一度もです。


これまでスネークが喋った行数を全て合わせても、PWのオープニング以下だと思います。



これはシリーズファンなら誰しもが思ったことじゃないでしょうか。


メタルギアシリーズの良いところの一つとして、会話劇のセンスやスネークのキャラクターがあると思うんですよ。

カズとの掛け合いや、オセロットとの昔話、愛国者たちの話、そしてスカルフェイスの計画についての推察など、スネークが喋るべき(質問するべき)場所はいくらでもあります。

しかし喋らない。ああ。そうだな。キプロス?など断片的なことしか喋りません。



今回のスネークには魅力を感じませんね。

ストーリー部分に限ればこれだけでメタルギアの魅力は大幅ダウンです。




スネークの個性を殺したのは意図的なことだと思います。

つまり、コイツ本当に俺たちが知っているあのスネークか?という疑問をプレイヤーに持たせる為、もしくは(まだ確証はないですが)この人物がビッグボスとして扱われている他人だからか。

この疑問は先に言った「俺はお前だ」などでも示唆されます。

真実はまだわかりませんし、先読みするつもりも現時点の材料で考察するつもりもないのですが、ビッグボスは実は死んでいて別人をイコンとして掲げているだけなのでは?なんて考えを植えつけられます。

そのせいでコイツ誰なんだろう?なんて思いながらプレイすることになるわけで、そんな楽しさを阻害するような要素いりません。







もしかすると「スネークの個性が死んだことで、より感情移入できた」なんて方もいるかもしれません。

なるほど主人公に自分の意思を持たせないことでプレイヤーの意思を反映させることができる、と。

TESなんかはそうですよね。私も好きです。それもまた理解できます。

ただ本作はシリーズ物です。急な方向転換は逆に疑問を持ってしまうだけではないでしょうか。これまではたくさん喋っていたのですから。



少なくとも私はスネークにこれまで通り喋って欲しいし、喋らないことでストーリーの魅力が下がっているように思います。


これから急にスネークが喋りだすとは思えませんし、ここが本当に残念。


スネークには自分の意思を持っていてほしかった。





あとがき



感想はクリア後に書こうと思っていたのですが、諸事情でしばらくプレイできません。
 
待ちきれない、そして触れない鬱憤が貯まるので序盤の感想としてこの記事を書くに至りました。


まだクリアしていないので、クリア後にはここに書いたことが180度変わる可能性もあります。

あくまで一章終了時点のレビューとして読んでいただけると幸いです。



まとめとしては

優れたゲーム性とストーリー展開を持っているのにスネークのせいで魅力が下がってしまっている

という感想です。


ゲームとしては最高に面白いのに他の部分で損をしているのが非常にもったいない。




どうしてこうなった。

急に喋り出しても違和感だらけですが、それでもいいので過去作品のように喋ってくれよ・・・スネーク、君の意思を聞かせてくれ。